10月7日「主に喜ばれたい」

コリントの信徒への手紙Ⅱ5章1節~10節

キリストと共に生きる者は「主に喜ばれたい」という願いを持ちます。それは、主が喜んでくださる者に祝福があることを知っているからです。

 主に喜ばれるということは、主に「よろしい」と言っていただくことです。主に「あなたは赦された」と言っていただくことです。このような主の御声を聞く者は、地上のどんな宝物にもまさる、かえ難い喜びの御声を聞くのです。そして、自分が祝福された者であることを知るのです。

 福音書には、病の人の癒し、悪霊払い、様々な奇跡の物語が記されています。イエスさまは地上のどんな苦しみをも取り去ってくださることが記されています。それは単に主が憐れみ深い方であるからではありません。わたくしたちを喜びとしてくださるお方だからです。主ご自身がわたくしたちを喜びたいと願っておられる。その願いこそがわたくしたちの喜びとなるのです。

 福音書に記された物語は明らかにわたくしたちの物語です。そこで語られる「あなた」は、この「わたし」です。この「わたし」は病の人であり、悪霊に取りつかれた人であり、渇き空腹の人であり、怯え恐れる人であり、時には隣人よりも偉い者になろうとする人です。神さまよりも偉くなろうとする。そういう罪人の姿が露わにされでいるのです。主は、そのようなわたしたちを喜んでくださるのです。

 わたくしたちはこの地上にある肉において苦しみもだえています。肉体は日々弱っていきますし、病が忍び寄ってきます。思い通りに行かないことがあります。主を慕っていながら心の隙間に悪魔が入り込んで来ます。この心はいつも渇き空腹です。しかし、これがありのままのわたしの姿です。

 わたくしたちは、主に喜ばれる者になりたいと願いながら、主がわたしを助けてくださると信じていながら、何とかして!自分で自分の殻を脱ぎ捨てようとします。何とかして!自分で自分の重荷をおろそうとします。そうして主の呼びかけに応えようとします。清い者になろう、御心にふさわしい者になろうとします。強い者になろう、神さまの善き理解者になろうとします。

 これは言い換えるならば「天から与えられる(永遠の)住みかを上に着たいと切に願っている」ことに他なりません。神さまがそれをなさってくださると信じているからこそ何とかして!信仰の成長をと願って一所懸命に努力するのです。神さまはこのようなわたくしたちの努力をないがしろにはいたしません。むしろ宝として用いてくださるでしょう。

 けれども、そういう信仰に生きることは、本当にわたくしたちの心に平安をもたらすでしょうか。本当に慰められるでしょうか。心の渇きをうるおし、魂の空腹を満たすでしょうか。何とかして!自分で!という信仰は、神さまを信じるというよりはむしろ自分を信じようとしていることにならないでしょうか。そこで見ている「わたし」は、足りない自分。ふさわしくない自分。欠けている自分かもしれません。そこで、主が喜んでくださっている自分を見つけ出しているでしょうか。このことをもう一度考えてみなければなりません。

 パウロは「この幕屋に住むわたしたちは重荷を負ってうめいておりますが、それは、地上の住みかを脱ぎ捨てたいからではありません。死ぬはずのものが命に飲み込まれてしまうために、天から与えられる住みかを上に着たいからです。」と語ります。しかし、それをなさるのは神さまご自身なのです。「わたしたちを、このようになるのにふさわしい者としてくださったのは、神です。神はその保証として“霊 ”をお与え下さったのです。」

 この「わたし」は元々神さまの御心にふさわしい者ではないのです。神さまはそういう「わたし」を喜んでくださっておられるのです。けれども、わたくしたちが真面目であるほどそのような自分に我慢ならなくなることがあるのです。だから何とかして!という努力しようとすることがあるのです。そこにある平安、慰め、喜びは、神さまにすべてをお委ねして、「もうそのままでよろしい」、「あなたは赦されている」という御声を聞く以上のものではないでしょう。神さまがわたくしたちをその霊によってふさわしい者にしてくださいます。だから、何とかしてふさわしい者になろうとする自分を捨てて、つまり、罪人であることをすっかり受け入れて、神さまと共に歩んでまいりましょう。

  そのままでよいのです。あなたは主に赦されているのです。それこそが、わたしの喜びであり、主ご自身の喜びなのです。

 

 

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