12月30日「預言者の言葉が実現する」

マタイによる福音書2章13節~23節

 今年も最後の主日となりました。一年の様々なことが思い巡らされました。一つ一つの出来事はそれぞれ固有のもので、わたくしたちはその一つ一つの出来事のなかで、楽しんだり、喜んだり、悲しんだり、苦しんだり、時には腹を立てることもあったかと思います。でも、そこにはちゃんと神さまの御心が貫かれていたことを覚えて感謝の思いが尽きません。

 今朝の聖書の箇所を読んでおりまして「預言者を通して言われていたことが実現する」ということを改めて強く思わされました。もっと直接的に言えば、神さまの御言葉が実現したということです。そうして聖書を通して神さまがお語りくださったことがわたくしたちの上に起こっていたという思いがあります。

 今朝の箇所で預言者の言葉と言われておりますのは「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」(15節)と言うものです。これは、旧約聖書にあります預言者ホセアの言葉です(ホセア書11章)。そこには「神の愛」という見出しがつけられているのですけれども、お読みいただきますとお分かりいただけるかと思いますけれども、そこには神さまの愛が語られているというよりは、神さまに愛されているにも関わらず、神さまに逆らう人間の姿が記されているように思います。それでも神さまは「怒りに燃えることなく、…再び滅ぼすことはしない」、「見捨てることはしない」、「(敵の手に)引き渡すことはしない」とおっしゃられるのです。

 神さまの愛と言いますと、こんな風に考えるのではないでしょうか。たくさんの恵みを下さって、豊かにしてくださり、繁栄させてくださるものだと。そういうのが神さまの愛だと思いがちです。でもここで示されている神さまの愛は、苦難はある。でもその中でも滅びない。そこがどんな所であっても、どんな時であっても、どんな状況であっても、あなた方は滅ぼされたりはしないというのです。そういう仕方で神さまの愛が示されると書かれているのです。

 苦難はあるのです。それゆえに悲しみもあるのです。神さまはそこでお守りくださるとおっしゃられます。そんな愛よりも、苦難そのものを取りのけて欲しい、悲しい出来事をなくして欲しいと思います。だから、そういう苦難の中にある時は神さまに訴えたくなります。「どこにあなたの愛はあるのですか」と問いたくなることがあるのです。

 天使がヨセフにエジプトに逃げなさいと告げた時、ヨセフがどう思ったか、マリアがどう思ったかはそこに記されておりませんので知ることは出来ません。でも、嬉しかったはずはないのです。何しろ、律法に反する妊娠があって、長旅をして、馬小屋で出産をしなければならなくなって、それからさらにエジプトに逃げなさいと言われるのです。もうめちゃくちゃなことばかり起こっているのです。ヨセフとマリアが不満に思っていても不思議ではありません。でも、聖書はそれを記しません。ただ神さまの御言葉が実現したのだとだけ記すのです。

 神さまの御言葉が実現するということはそういうことなのだと思うのです。一つ一つの出来事には、喜びがあったり、悲しみがあったり、苦しみがあったり、楽しみがあったりします。その時々でわたくしたちは神さまに感謝したり、訴えたり、つぶやいたり、祈ったりします。その時はそれらの出来事が一体何なのかすべてを知ることは出来ないかもしれません。でも、それらはバラバラのように見えて、実は神さまの御心を愛を悟らせ、救われていることを確かにさせる出来事なのです。神さまのご慈愛、憐れみ、救いを知っていればこそ、わたくしたちはあらゆる出来事の中で、神さまと共に、神さまに向かって、笑いもすれば、嘆きもし、疑いもすれば、怒ることさえ出来るのだと思うのです。

 そこで何よりも確かなことは、神さまの愛に貫らぬかれているということは神さまご自身の御言葉を通してしか知り得ないということです。神さまの御言葉を聞かないで、神さまの御心がわかるはずはないのです。だからわたくしたちは、わたくしたちを愛して下さる神さまの愛を受け取りたい、その愛の中で生き続けたいと願って礼拝を献げ、御言葉を聞き、祈り、讃美を献げるのです。これからもそうして一緒に神さまの御声に耳を傾けて続けて、神さまの愛を受け取って参りたいと思うのです。あなたのうえに神さまの御言葉が確かに起こっているのです。

 

 

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