5月19日「霊が語らせる」

使徒言行録2章1節~11

 わたくしたちは自分で考えてものをしゃべります。口を通して出てくる言葉は、わたしの心の中、頭の中にあることです。心にもないことを言うことがあっても、それは頭の中にあることだったり、頭の中にないと思っていたことが本心から出てくるということがあるでしょう。いずれにしても、イエスさまはそのすべてをご存じです。

 マルコ福音書2章に「中風の人を癒す」物語があります。イエスさまは他人の家の屋根に穴を開けてまで来た病の人に「あなたの罪は赦される」とおっしゃいました。それを聞いていた律法学者たちは心の中で「神を冒涜している」と考えました。するとイエスさまはそれを見抜かれて「なぜそんな考えを心の中に抱くのか」とおっしゃいました。そして「『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。」とおっしゃられ、その後で、ちゃんと病をもお癒しくださいました。

 イエスさまの口から最初に出てきた言葉は、病を癒す言葉ではなくて罪をお赦しになる言葉でした。イエスさまのお心の中にあるのは、いつでもわたくしたちの罪の赦しのことなのです。病が癒されることも大切です。苦しみが取り除かれることも大切です。でも、イエスさまが何よりも大切だとお考えであったのは、いや、お考えであったと言うよりも、その全存在をかけて成し遂げられたのは、人間の罪の赦しでありました。

 わたくしたちの心の中、頭の中はどうでしょうか?先々週「偽善」について御言葉を聞きました。心を偽ることは神さまの恵みから最も遠く離れてしまうことです。だから正直者でいたいと思います。でもこの世では時に正直者はバカを見ることがあります。正直者にバカをみさせない、清く、愛に満ちた世であって欲しいと願います。わたしからそれがはじまれば良いと願います。そういうわたしの十字架を背負いたいと願います。

 今朝お読みいただきましたペンテコステの物語を読んでおりまして、もし、すべての人の心が清くて、愛で満たされていたら世の中はもっと良くなるだろうか…。そんなことを考えました。きっとそうなれば清く愛に満ちた世の中になるだろうと思います。けれども、誰もがそう願い、求め、実現しようとしているそういう世は実現しないのです。

 だからイエスさまは人間的なものは捨ててしまいなさいとおっしゃいます。でも、これは人間的なものをあきらめなさいということではありません。人が人間的なもので神さまの恵みや愛をあらわすのではなくて、神さまが人間的なものを用いてご自身の恵みや愛をお示しになられるのです。そうして用いられるものの一つが人の口から出る言葉です。

 ペンテコステの出来事は、神さまが人間的なものを用いてご自身の御業を表された最初の出来事と言えるかもしれません。この出来事なしに、わたくしたちはわたくしたちが神さまの御業のために用いられることを知ることはなかったかもしれません。そして、わたくしたちが神さまによってその御業のために用いられる時は、いつでも神さまの偉大な御業の証しのために用いられるのです。そこにこそ恵みと愛があらわされるのです。

 神さまの偉大な御業というのは、イエスさまの十字架によって示された神さまのまったき愛です。それがお弟子さんたちの心の中、頭の中にそれがあったかと言えばそうではありませんでした。それにもかかわらずお弟子さんたちは神さまの偉大な御業について、そのまったき愛について語り出しました。しかも、様々な言語でそれを語り出したのです。

 わたくしたちは心が清ければ、善ければ、愛で満たされていればよいと思います。正しい者でいようとして努力をいたします。そういう人間的な努力も大切ですけれども、むしろそれを捨ててしまって、神さまの清さ、善さ、愛にすべてを委ねて、神さまがわたしを用いてくださることを信じて生きる時にこそ最もよい仕方で神さまご自身によってその恵みと愛があらわされるのです。そのために神さまはわたくしたち一人一人に霊を注ぎ続けてくださいます。そのために神さまご自身が霊となってわたくしたちの心の内にお住まいくださいます。このわたしの口を通してご自身のまったき愛についてお語り下さいます。神さまが霊の働きをもってわたくしたちを偉大な神さまの御業の実現のために用いてくださることを信じて信仰の道のりを歩み続けたいと思うのです。

 

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